皆様、お疲れ様です!お元気でしょうか?今回、読んだのは「図説 メソポタミア文明」です。慶應のオリエント考古学の履修の参考文献として読みました。
「古代メソポタミア文明って言葉は聞くけど、なんだか難しそう…」「シュメール人やギルガメッシュ叙事詩に興味があるけど、何から学べばいいの?」そんな風に感じている歴史好きのあなたへ。
今回は、古代オリエントの世界へ足を踏み入れるのに最適な一冊、「図説 メソポタミア文明」(前川和也 著、河出書房新社)を徹底レビューします! 実は私自身、大学でオリエント考古学を学ぶ際の参考文献としてこの本に出会い、その面白さにすっかり引き込まれました。豊富な図版と共に、人類最古の文明の奥深い魅力を紐解いていきましょう。
著者概要
前川 和也 (マエカワ カズヤ)
国士舘大学21世紀アジア学部教授。京都大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都大学人文科学研究所教授を経て現職。著書に『世界の歴史2 古代オリエント』(共著、河出書房新社)などがある。
Amazonより引用
書籍概要
紀元前3500年頃、ティグリス、ユーフラテス川流域に発祥した文明。文字(楔形)をもち、大麦を栽培し、神の命のもとで王が戦う―メソポタミア都市国家・帝国像を読み解く。
歴史はシュメールにはじまる。紀元前3500年、文字をもち、大麦を栽培し、神の命のもと王が戦ったティグリス、ユーフラテス川流域に発祥した最古の文明を、図像と楔形文字から読み解く。
読んでみて
メソポタミアとは
メソポタミア(ギリシャ語: Μεσοποταμία、ラテン文字転写: Mesopotamia、ギリシャ語で「複数の河の間」)は、チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野である。現在のイラクの一部にあたる。 世界最古の文明が発祥した地であり、メソポタミアに生まれた文明を古代メソポタミア文明と呼ぶ。文明初期の中心となったのは民族系統が不明のシュメール人である。シュメールの後も、アッカド、バビロニア、アッシリアなどに代表される国々が興亡を繰り返した。やがて周辺勢力の伸張とともに独立勢力としてのメソポタミアの地位は低下していき、紀元前4世紀、アレクサンドロス3世(大王)の遠征によってヘレニズムの世界の一部となった。Wikipediaより引用
【徹底レビュー】「図説 メソポタミア文明」3つの魅力と学び
実際に本書を読んでみて感じた魅力や、特に学びが深かったポイントを3つに絞ってご紹介します。
1. 図解・写真が満載!初心者でも古代文明がスッと頭に入る
本書の最大の魅力の一つは、何と言ってもその豊富な図版や写真です。「図説」と銘打たれているだけあり、出土品の写真、遺跡の想像図、楔形文字の粘土板、当時の生活様式を示すイラストなどが惜しみなく掲載されています。 これにより、文字情報だけではイメージしにくい古代の世界観や人々の暮らしぶりが、視覚的にスッと頭に入ってきます。まるで博物館の展示を巡っているかのような感覚で、難解と思われがちな古代文明へのハードルを大きく下げてくれるでしょう。
2. 謎多きシュメール人の世界へ!文明の曙に触れる興奮
「歴史はシュメールにはじまる」――この言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。本書は、謎に包まれたシュメール人の起源から、彼らが発明した楔形文字、世界最古の英雄譚「ギルガメッシュ叙事詩」、そして近年その存在が明らかになったシュメール法典(後のハンムラビ法典に影響を与えたとされる)に至るまで、シュメール文明の核心を丁寧に解説してくれます。 都市伝説などでもしばしば言及されるシュメール人ですが、本書を読めば、彼らが築き上げた高度な文明の実像に触れることができ、知的好奇心が大いに満たされるはずです。
3. 「肥沃な三日月地帯」のリアル!文明を支えた知恵と営み
メソポタミアがティグリス川とユーフラテス川の恩恵を受けた「肥沃な三日月地帯」に位置することはよく知られています。本書では、その肥沃な土地でいかにして灌漑農業が発達し、経済的な基盤を築き上げたのかが具体的に解説されています。 一方で、この地域は天然資源に乏しかったという側面も。そのため、周辺地域との活発な交易によって必要な物資を確保し、文明を発展させていきました。このような、自然環境と人間の知恵が織りなすダイナミックな歴史の流れを、本書は生き生きと伝えてくれます。
より深く楽しむために:メソポタミア文明の基礎知識
本書を読む前に、少しだけメソポタミア文明の概要を知っておくと、さらに理解が深まります。
- メソポタミアとは?:ギリシャ語で「複数の河の間」を意味し、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた沖積平野(現在のイラク周辺)を指します。世界最古の文明が誕生した場所です。
- 主な担い手たち:最初に高度な文明を築いたのは民族系統不明のシュメール人。その後、アッカド、バビロニア(ハンムラビ法典で有名)、アッシリアといった国々が興亡を繰り返しました。
- 文明の終焉:紀元前4世紀、アレクサンドロス大王の東方遠征により、メソポタミアはヘレニズム世界の一部となり、独立した文明としての歴史に幕を閉じます。
これらの基礎知識はWikipediaなどでも手軽に調べられますが、本書の中でも丁寧に解説されているのでご安心ください。
こんな人に「図説 メソポタミア文明」はおすすめ!
- 古代史、特に古代オリエントに興味を持ち始めた方
- メソポタミア文明について、分かりやすくまとまった入門書を探している方
- シュメール人、楔形文字、ギルガメッシュ叙事詩といったキーワードに心惹かれる方
- 歴史や考古学を学ぶ学生さん(参考文献としても最適!)
- 図や写真が豊富な本で、視覚的にも楽しみたい方
- 知的好奇心を満たし、新たな知識の世界を広げたい方
一つでも当てはまったら、ぜひ手に取ってみてください!
まとめ:古代への冒険心をくすぐる、知的好奇心を満たす一冊
「図説 メソポタミア文明」は、豊富なビジュアル資料と専門家による確かな解説で、私たちを数千年前の古代メソポタミア世界へと誘ってくれる素晴らしい一冊です。読めばきっと、人類の歴史の壮大さや、古代の人々の知恵と営みに感動を覚えることでしょう。
まさに「心躍る楽しい古代文明探索本」!この本を片手に、あなたも壮大な古代文明の謎解きに出かけてみませんか?
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