【読書】げえむの王様

Business

  皆さん、お疲れ様です。元気でしょうか?あいかわらず新型コロナウィルス感染症オミクロン株が広がっているようですが、体調はいかがでしょうか? かなり患者数が増えていて高止まりしているのが怖い感じがしますが、重症化の割合が思ったよりも低い印象もあります(素人の感想です)

 さて、今回読んだ本は「げえむの王様」という本です。何故に私がこの書籍を手に取ったかというと、仕事でとあるゲーム会社の経営企画の仕事をすることになりました。それに就任する経緯としては以前、とあるゲーム会社の社外取締役をしていたのですがその経験から打診がきた次第です。しかしながら、ゲームについても最近は全然プレイをしていないですし、かなり私自身は年寄の部類なのでいまいち今流行っているソーシャルゲームなどに関してもピンときてないという状況でした。ゲーム会社の経営に関する何かしら書籍がないかしらということでこの書籍に行き着いたわけなのです。

スポンサーリンク

著者について

瀧津 孝 (タキツ コウ) (著/文)
京都市生まれ。立命館大学法学部卒業後、読売新聞大阪本社記者を経て、フリージャーナリストとして独立。1998年に無料紙媒体では国内初となる家庭用コンピューターゲーム専門の総合情報紙「GAMEゆーゆー(現ジャパニメイト)」を創刊し、2013年まで発行人兼編集長を務めた。 同年、歴史読本「乙女のための名将言行録」で作家デビュー。主な著書に、歴史ファンタジー「戦国ぼっち」シリーズなど。

書籍概要

華やかでエネルギッシュなイメージをまとう日本のコンピュータゲーム産業を題材に、知られざる「闇の部分」にスポットを当て、困難な企業再生の道のりを描くエンターテインメント長編。

 かつてジャパニーズドリームの代名詞とも評され、世界を席巻した日本の家庭用コンピュータゲーム。飛ぶ鳥落とす勢いだった巨大市場が、インターネットとモバイルツールの進歩・普及に伴い急成長したスマートフォン用ゲームアプリなどの勢いに押され、凋落に拍車をかけつつあった2014年、倒産の危機に瀕する弱小ゲームメーカーが、数々の障害に直面しながら復活を目指す再生の物語である。

 新宿・神楽坂に本社ビルを持つ中堅の家庭用ゲームソフトメーカー「スクルドソフト」は、創業者であり社長だった大村晋一郎の急死によって、唯一の肉親である27歳の実弟・晋二が勤め先の新聞社を辞めて後を継いだ。ところが、会社の経営実態は火の車で、起死回生の切り札と期待されていた新作ソフトはほとんど買い手がつかず、多額の借入金ですでに担保に入れるべき物は何もなく、新規融資の見込みも付かず、銀行口座の残高は底を突きつつあった。
 責任の擦り合いをしていた役員たちは子飼の社員を引き連れて次々と会社を去り、残されたのは晋二と、やる気のない営業事務の若手社員・高杉万裕美の2人だけ。肉親であるという義務感から会社を継ぎ、未知の世界に飛び込んだものの、ゲーム業界の知識や経験に乏しく、特殊な商習慣に戸惑い、八方塞がりで打開策を見出せない晋二には、もう倒産という選択肢しか残されていない……はずだった。
 そんな彼を叱咤し、スクルドソフトにまだ残されている希望の光を示したのは、ブラック社員にしか見えなかった万裕美。彼女は会社の悪弊を役員に直言して左遷させられていたクリエイター志望者でもあった。家庭でのコミュニケーションをコンセプトに万裕美が温めてきた企画を聞かされ、晋二は大きな可能性を感じると共に、そのゲームソフトを世に出すことで会社の再生を図ろうと決意する。しかし、先立つものがまるっきりなく、たった二人のゲームメーカーがどうやってソフトを作り、流通ルートに乗せ、全国に販売すればよいのか。晋二と万裕美は常識外れの戦略を立て、再起へ向けての大勝負に出る。
版元ドットコム様より引用

読んでみて

 事細かくゲーム業界の仕組みなどが分かりやすく書いているのがとても良かったです。そもそもゲーム業界がどのようなものなのかをイマイチ理解していない方も多いと思います。特にパブリッシング事業と請負でのゲーム会社での対応や卸の関係とか。
 そして、この本のよいところというか読みどころは事業再生要素が含まれているというところです。かなり勉強になりました。(勿論、フィクションなので再生のステップの神がかり的なところは実際には期待できないのかもしれませんが。)物語的にとても面白くてスッキリしました。
 青臭いのかもしれないのですが、「本当に面白いゲーム」ってなんでしょうかね?経営的な視点だと売れたものが面白いゲームなのでしょうかね。今の私の立場で売れるのが正義、売り上げの数字を作れるものが正義と思ってしまいます。昔と違いゲーム開発に要するコストはかなり巨額になってきているので、それをいかに回収するのかをというのと、そのコストの源泉における調達コストからの投資効率など考えてしまいます。反対に受託事業のみで進んでいった場合、中長期的視点での計画構築が難しくなると思います。バランスがとても大事なのだと思います。私自身、銀行からのゲーム開発における資金調達をした際本当に苦労をしました。本当に売れるのか?どれくらい売れるのか?確約できるのか?担保いれろ・・・。などなど。
 まあとにかく経営視点からも読みごたえある本でした。お勧めです!是非とも読んでみてくださいませ。※あと、私の家が飯田橋近辺なので親近感が湧きました。


 

コメント

タイトルとURLをコピーしました