皆様、お疲れ様です。元気にしていますでしょうか？読書進んでいますでしょうか？今回私が読んだのは慶應義塾大学入学記念で配本された「福翁自伝」です。流石に福澤諭吉先生の名を知らない方はいないと思いますが、深くどのような人物だったのかだと知らない人もいるかもしれません。
福澤 諭吉
明治時代の啓蒙思想家。慶応義塾の創設者。豊前中津藩（大分県）の下級武士の家に生まれる。19歳で長崎に出て蘭学を学 び、翌年、大阪の緒方洪庵の適塾で蘭学を学んで、のち塾長となる。1858（安政5）年、藩命で江戸に蘭学塾を開くが、これがのちの慶応義塾となる。翌 年、横浜で英語が国際語であることを知り、英学に転じる。幕府使節に随行し、三度、欧米を視察する。『西洋事情』、『学問のすゝめ』、『文明論之概略』な どのベストセラーを世に出して、「独立自尊」の精神や「実学」の重要性を鼓吹する。明治新政府のたびかさなる出仕要請を辞退し、生涯官職に就かなかった。 1872年、明六社に参加。自由民権運動の高揚に対しては、天賦人権論を否定して、国権優先の「権道」を説いた。1882（明治15）年、「不偏不党」を 旗印にかかげる日刊紙『時事新報』を創刊し、「官民調和」のもとに強力な国家をうち立て、欧米列強からの日本の独立を図り、1885（明治18）年には、 「亜細亜の悪友を謝絶」して西洋列強に伍せんとする「脱亜論」を唱えた。東京で66歳で死去。
最近は、電子書籍リーダーやスマートフォンで読書することが多いので文字の大きさを変えれるのにかなり甘えていますので、小さい文字の書籍はかなり苦労します。読むのに苦労をしたのですが、内容が面白いので二回も続けて読みました。
新しい時代の先導者ニャゴ！
この書籍は、幼稚舎お受験で親の必読書として挙げられているらしいのですが、確かに教育方針的なことを書いています。P286～子供の教育法について書かれています。もっぱらからだの方を大事にして、幼少のときから、しいて読書などさせない。まず獣身をを成してのちに人心を養うというのが私の主義であるから、生まれて三歳五歳まではいろはの字も見せず、七、八歳にもなれば手習をさせたりさせなかったり、マダ読書はさせない。それまではただあばれ次第にあばれさせて、ただ衣食にはよく気をつけてやり、子供ながらも卑劣なことをしたり卑しい言葉をまねたりすればこれをつがむるのみ。（引用終）なかなか今の親御さんは、このようにできないと思います。結構小さいうちからガリガリに読み書きをさせたり、筆記テスト対策をさせることが多いと思います。ちなみに慶應義塾幼稚舎入試は、【絵画制作】、【集団遊び】、【運動テスト】の3つの行動観察テストが行われます。他の私立小学校入試と比べて、ペーパーテストや面接がないのが特徴的なのです。そういう意味では、福澤イズムが現代の入塾テストにも生かされていますね。
私はこの本を読んで、これまで抱いていた福澤諭吉像がガラリと変わりました。「こんなに面白い人だったんだ！」「ユーモアもあって、情熱的で、行動力があって…！」と、まるで物語を読んでいるかのように引き込まれてしまいました。そして何より、彼が激動の時代をどう生き抜き、何を考え、どのようにして日本の近代化に貢献していったのかを、その「生の声」で知ることができるという、貴重な体験をしました。
今回は、この「福翁自伝」の書評を通して、福澤諭吉という人物の知られざる魅力、そして彼の経験から現代を生きる私たちが学ぶべきことについて、熱く、深くお伝えしたいと思います！
「福澤諭吉ってどんな人？」「自伝なんて難しそう…」「でもちょっと気になる！」そんなあなた！必見です！この記事を読めば、「福翁自伝」が、あなたのビジネス観や人生観にまで影響を与える、最高の「学び」の一冊になることが分かるはずです！
さあ、日本の近代化の礎を築いた偉大な先人の、波乱と冒険に満ちた人生の物語に触れてみましょう！
福澤諭吉とは？近代日本の「精神」を創った男
「福翁自伝」について語る前に、まずは改めて福澤諭吉という人物について簡単におさらいしておきましょう。
福澤諭吉（1835年〜1901年）は、幕末から明治にかけて活躍した思想家、教育者、啓蒙思想家です。鎖国体制が崩壊し、日本が近代国家へと生まれ変わる激動の時代に、西洋の知識を日本に紹介し、新しい価値観を広めることに尽力しました。
彼の最も有名な功績の一つが、現在の慶應義塾大学である 慶應義塾 の創設です。彼は、実学（実際に役に立つ学問）を重視し、これからの日本を担う人材を育成することに情熱を注ぎました。
また、「学問のすすめ」や「文明論之概略」といった数々の著作を通じて、個人の 「独立自尊」 （他人に依存せず、自らの力で判断し行動すること）の精神や、自由主義、民主主義といった近代的な思想を日本社会に広めました。彼の思想は、その後の日本の教育、政治、経済、文化に計り知れない影響を与え、「日本の近代化は福澤に始まる」とまで言われるほどです。
まさに、日本の近代という新しい「精神」を創った人物と言えるでしょう。
「福翁自伝」という書籍について：ユーモアと本音が詰まった「告白」
「福翁自伝」は、福澤諭吉が晩年（1897年）に、門下生に口述し、それをまとめたものです。自分の生涯を振り返り、次世代に伝えたいこと、そして自らの精神の軌跡を正直に語った、まさに「告白録」と言うべき書籍です。
この本の最大の魅力は、その 語り口の面白さ にあります。
堅苦しい歴史書や偉人の伝記を想像していると、良い意味で裏切られます。福澤諭吉は、自身の生い立ち、若い頃の苦労、海外での体験、そして慶應義塾創設時の困難などを、驚くほど率直に、ユーモアを交えながら語っていきます。まるで、目の前で本人が朗らかに、あるいは時には苦笑いしながら話してくれているかのようです。
内容は、彼の生涯を追う形で進みます。
- 貧しい下級武士の家に生まれ、幼少期に父を亡くし、苦労の多かった少年時代。
- 勉学の道を志し、長崎や大阪で蘭学（オランダ語を通じた西洋の学問）を学ぶ青春時代。
- 人生の転機となった、遣米使節団や遣欧使節団への参加。初めて見た異国の文化、技術、社会制度への衝撃と感動。
- 帰国後、江戸（東京）で蘭学塾を開き、後の慶應義塾へと発展させていく情熱の日々。
- 「学問のすすめ」をはじめとする著作活動を通じて、国民を啓蒙していく苦闘。
- 明治維新という社会の大変動を、内側から体験し、貢献していく様子。
- 政府からの出仕要請を断り、あくまで在野の立場で教育と著作に専念した理由。
これらの出来事が、教科書的な事実の羅列ではなく、彼の感情や考え、時に失敗談も交えながら語られるため、非常に生き生きとしています。読者は、福澤諭吉という人物の息吹を、肌で感じることができるのです。
私が「福翁自伝」を読んで驚いたこと、感じたこと（魅力深掘り）
実際に「福翁自伝」を読んで、私が最も心を掴まれた点、そして驚かされた点はこちらです！
- 教科書とは全く違う！福澤諭吉の「人間味」とユーモア: 「学問のすすめ」の冒頭の一節「天は人の上に人を造らず…」のイメージから、堅物で高尚な人物像を想像していました。しかし、本書で描かれるのは、血の通った、非常に魅力的な人間像です。若い頃の無鉄砲な行動、勉強に没頭するあまりの貧乏エピソード、海外での文化や習慣の違いに戸惑う様子、そして自らの欠点さえも隠さず語る率直さ…。特に、大阪の適塾時代のエピソードなどは、まるで青春群像劇のように生き生きとしていて、思わず笑ってしまう場面も多いです。このギャップが、まず読む者を惹きつけます。
- 激動の時代を「内側から」見た貴重な記録: 幕末の動乱期、そして明治維新という日本の歴史が根底から覆された時代を、福澤諭吉は傍観者としてではなく、新しい日本のあり方を模索し、具体的に行動を起こした当事者として生きました。彼の目を通して語られる当時の社会の混乱、旧体制の崩壊、そして新しい時代の息吹は、歴史書にはない圧倒的なリアリティを持って迫ってきます。特に、初めて蒸気船に乗り、初めて異国の地を見た時の衝撃、文明の力の差を目の当たりにした時の焦燥感などは、読者にも鮮烈に伝わってきます。
- 「独立自尊」の精神の源流をたどる: 彼の思想の根幹である「独立自尊」の精神が、いかに彼の人生経験から培われてきたのかが、本書を読むと非常によく分かります。貧しい境遇の中で誰にも頼らず自力で道を切り開いていった経験、西洋社会で見た個人の自立した姿、そして政府に頼らず私塾の運営を貫いた意志…。彼の人生そのものが、「独立自尊」の実践であり、その哲学がいかに彼の血肉となっていたのかを感じられます。
- 「実学」への揺るぎないこだわり: 蘭学を学び、実際に海外で西洋の技術や制度を目の当たりにした経験から、「空理空論ではなく、世の中で実際に役立つ学問こそが必要だ」という彼の「実学」思想が生まれた過程が分かります。この実学こそが、日本の近代化には不可欠だと考え、慶應義塾の教育理念として生涯貫いた彼の情熱が伝わってきます。
- 驚きと発見に満ちた海外渡航記: 遣米使節団や遣欧使節団に参加した際の体験談は、本書の中でも特に面白い部分です。初めて見る鉄道、電信、病院、議会…何もかもが真新しい西洋社会を、好奇心旺盛な日本の侍がどのように観察し、驚き、学び取ろうとしたのかが生き生きと描かれています。通貨の計算に四苦八苦したり、舞踏会に招かれて戸惑ったり…といった微笑ましいエピソードから、西洋文明の本質を見抜こうとする彼の鋭い洞察まで、発見に満ちています。これは、異文化コミュニケーションの原点としても非常に興味深いです。
- 教育にかけた情熱と苦労: 慶應義塾の創設と運営にかけた彼の情熱と、それに伴う苦労も詳しく語られます。資金繰りの問題、人材の確保、社会からの理解を得ることの難しさ…。それでも、「日本の未来は教育にかかっている」という強い信念を持って、私塾を守り、発展させていった彼の教育者としての顔に、深く感銘を受けます。
「福翁自伝」は、単なる歴史上の偉人の伝記ではなく、一人の人間が、激動の時代の中で自身の信念を貫き、新しい時代を切り開いていく、波乱と冒険に満ちた物語なのです。そして、その語り口が、これほどまでに面白く、引き込まれるものだとは、読む前に想像もしていませんでした。
「福翁自伝」から学ぶ、現代にも通じる「失敗の法則」（反面教師）と教訓
この「福翁自伝」は、直接的に「失敗の法則」について論じているわけではありません。しかし、福澤諭吉自身の人生の選択、彼が生きた時代の社会構造、そして彼が批判的に見ていた旧来の日本のあり方から、現代の私たちが学ぶべき「反面教師」や普遍的な教訓を多く見出すことができます。
- 変化への対応と既存価値観からの脱却: 福澤諭吉が生きた時代は、現代以上に激しい変化の中にありました。彼が幕藩体制という当時の「常識」にとらわれず、海外の新しい知識や価値観を積極的に学び、日本社会に変革をもたらそうとした姿勢は、VUCA時代と呼ばれる現代において、既存のビジネスモデルやキャリアパスにしがみつくことの危険性、そして常に学び、変化に適応していくことの重要性を示唆しています。
- 情報収集と批判的思考: 彼が直接海外に赴き、あるいは蘭書を通じて情報を得て、それを鵜呑みにせず、自身の頭で考え、日本の状況にどう応用できるかを判断した能力は、情報過多でフェイクニュースも氾濫する現代において、信頼できる情報を取捨選択し、批判的に思考することの重要性を教えてくれます。
- 「独立自尊」が社会の活力を生む: 個人が他者に依存せず、自らの能力を高め、自立して社会に貢献すること。これが社会全体の活力に繋がるという彼の考えは、終身雇用や年功序列といった従来の働き方が揺らぎ、一人一人がキャリアを主体的にデザインする必要がある現代において、改めてその重要性を増しています。組織や社会に「依存」するのではなく、主体的に関わる姿勢の価値。
- 「実学」の現代的意義: 知識を蓄えるだけでなく、それを現実世界の問題解決や、新しい価値創造に繋げる力。AIが知識の集積や処理を担う時代だからこそ、人間が持つべき「実学」、すなわち思考力、応用力、そして創造性といった能力の重要性を再認識させられます。
- リスクを恐れず新しいことに挑戦する勇気: 彼が危険を顧みず海外渡航を決意したり、未知の学問を学んだり、政府からの誘いを断って自らの信じる道を歩んだりした姿勢は、安定を求めがちな現代人にとって、リスクを取ってでも新しいことに挑戦すること、自分の信念に従うことの勇気を与えてくれます。
福澤諭吉は、彼自身の言葉で「私の生涯は、ただ正直をもって終始した」と述べていますが、その「正直さ」が、時代を切り開く上での力となったことが、本書を読むとよく分かります。
この書籍が日本の近代化に与えた影響（再確認）
「福翁自伝」は、彼自身の人生の記録であると同時に、彼が「なぜ」そのような思想を持ち、行動したのか、その源流を示す本でもあります。彼の思想は、「学問のすすめ」などの啓蒙書を通じて当時の人々に大きな影響を与え、新しい時代の価値観や行動様式を形成する上で決定的な役割を果たしました。そして、慶應義塾は、その思想を体現し、多くの近代日本のリーダーを育成する場となりました。
「福翁自伝」を読むことは、その思想がどのように生まれ、そしてどのように日本社会に浸透していったのかを理解するための、最もパーソナルで、最も力強い方法の一つなのです。
読む上でのポイント・注意点？
「福翁自伝」は古典なので、「難しそう…」と感じる方もいるかもしれません。確かに、原文のまま読むのは現代人には少し骨が折れる部分があるかもしれません。しかし、幸いなことに、現代語訳されたものが数多く出版されています！岩波文庫など、信頼できる出版社から分かりやすい現代語訳版が出ていますので、そちらを選ぶのがおすすめです。
また、内容は非常に多岐にわたりますし、当時の歴史背景に関する知識が少しあると、より深く理解できます（なくても十分に面白いですが！）。一度に全てを理解しようとせず、興味のある章から読んでみたり、少しずつ読み進めてみたりするのも良い方法です。
読書時間はそれなりにかかりますが、その分、得られる学びと感動は計り知れません。
どんな人におすすめ？
この「福翁自伝」は、以下のような方に特におすすめしたい一冊です！
- 日本の歴史、特に幕末・明治時代に興味がある人
- 福澤諭吉という人物を深く、人間的に知りたい人
- 慶應義塾の関係者（卒業生、在学生、教職員など）
- 激動の時代を生き抜く偉人から学びを得たいビジネスパーソン、リーダー、起業家
- 「独立自尊」の精神を学び、自分の人生を主体的に生きたいと考えている人
- 歴史上の人物の「生の声」や「自伝」を読むのが好きな人
- 教育や社会改革に関心がある人
- 変化の激しい現代社会で、どのように考え、行動すべきかヒントを探している人
この本は、単なる過去の記録ではなく、現代を生きる私たちにも多くの問いと示唆を与えてくれる、時を超えた普遍性を持つ書籍です。
まとめ：読まず嫌いは本当に損！「福翁自伝」で、あなたの魂を揺さぶる体験を！
福澤諭吉の「福翁自伝」。
それは、日本の近代化の礎を築いた偉大な人物の、波乱万丈でありながら、驚くほど人間味とユーモアにあふれた「生の声」の記録です。
教科書的な知識だけでは決して知ることのできない、彼の情熱、苦悩、決断、そして時代を切り開いていく力強さ。そして、その経験から生まれた「独立自尊」や「実学」といった思想がいかに普遍的で、現代を生きる私たちにも響くものであるか。
この本を読まずに、福澤諭吉を知った気になってはいけません。
現代語訳版が出ている今、この古典を手に取らない手はありません！少しの勇気と時間を投資するだけで、あなたは日本の歴史そのものを創った人物の息吹を感じ、彼の知恵と勇気から、あなたの人生を切り開くための大きなヒントを得ることができるでしょう。
「福翁自伝」、強く、強くお勧めします！
ぜひ、この本で、あなたの「福澤諭吉像」をアップデートし、現代にも通じる偉大な先人の精神に触れてみてください！
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