【読書】歴史入門【ブローデル】

学び

 皆様、お疲れ様です!元気にされていますか?読書は進んでいますか?コロナウィルス感染症の影響もよくわからない状況になりつつある中で海外は行動制限的なものは欧米ではかなり緩和されている感じの一方で上海はロックダウンでえらい状況になっている感じですね。

 今回、読んだ本はフェルナン・ブローデルの「歴史入門」という本です。何故、今回この本を手に取ったかというと慶應義塾大学の科目「史学概論」でのレポート課題の対象図書だったからです。過去ファイナンスをかじっていたこともあり、著者の名前は存じておりました。

著者概要

フェルナンブローデル
1902年、フランス北東部に生まれる。アンジェリア、パリでリセの教授(歴史学)として勤め、サンパウロ大学で講義と研究を続けた後、パリに戻り高等研究院に勤務。戦争中五年間ドイツの収容所で捕虜生活を送り、その間博士論文を執筆。46年「アナール」誌編集委員となり、のち編集長を務める。49年、コレージュ・ド・フランス教授に選ばれる。リュシアン・フェーヴルらとともに高等研究院に第六セクションを創設し、56年から72年まで同セクション委員長。

書籍概要

二十世紀を代表する歴史学の大家が、代表作『物質文明・経済・資本主義』における歴史観を簡潔・明瞭に語り、歴史としての資本主義を独創的に意味付ける、アナール派歴史学の比類なき入門書。時間軸を輪切りにし、人間の歩みを生き生きと描き出す、ブローデル歴史学の神髄。

ブローデルの名著の「物質文明・経済・資本主義」の内容に対して講義的進行の入門書という感じでしょうか。訳の影響もあり、ブローデルの話の展開を理解するのに私は苦労しました。そういう意味では、歴史入門から入ることで、私のように読解力が低い人でもまだ何とかついて来ることが可能になるという感じでしょうか?歴史観的アプローチから資本主義は何たるものかを、ブローデルの切り口で書かれています。歴史学というよりかは社会学的経済という感じでしょうか。彼なりの社会的変数設定があって、それがどんな感じで組み合わさっていくとみたいな印象です。
 なんというかアナール派の学者らしい展開という感じでしょうか。現在だとブローデルを下敷きにした形の社会学的経済論は多々あるので既視感が皆さんにはでてくるかのかもしれませんが、一種の行動経済論的な側面があって面白いです。ブローデルに関してはかなり論文などありますので、理解補助の資料は手に入れやすいと思います。↓はちょっとレポート用のメモになります。

交換としての経済 Economy as Exchange
■文化人類学の基本概念のひとつが「交換 exchange」である。交換はコミュニケーションの社会的様態であり、また経済活動の基本ともみなされる。
■経済的交換のシステムは一般に
1)互酬制 reciprocity
(2)再分配 redistribution
(3)市場交換 market exchangeの三種類に分類される。
■近代的な「経済」の概念では、市場交換による貨幣経済を「経済」と捉えるが、人類学では人間の経済活動を交換=コミュニケーション全般に拡張して捉え、市場交換はその一形態にすぎないとみなす。
■この分類では、歴史的に出現した順はたしかに1→2→3なのだが、だからといって後者のほうがより優れたシステムだということを意味しない。また3が優位である近代都市社会でも、実際には1~3のシステムが共存して機能している。
■近代社会ではたしかに水平的な市場交換が優位ではあるが、たとえば税のシステムはむしろ垂直的な再分配の原理にもとづいている。互酬制は、さらに一般的互酬制と相互的互酬性に分類されるが、直接の見返りを求めない純粋な贈与にもっとも近いのが一般的互酬制で、これは交換というイメージからはもっとも遠いものである。しかし、近代社会においても家族の内部(それはしばしば市場の外部と見なされる)ではそのような「原始的」な交換のシステムは健在である。(2005-10-15 修正 文:蛭川立)

 この本が好きな人は、是非とも脇道にそれてこの本も読んでみてくださいませ。


 本当はジックリ読んでジックリとレポートに取り組まないといけないのですが、糞忙しくて駆け足で流しながら進んでいるのが何とも心残りなのです。皆さんはじっくりと読んでくださいね!

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