このようなニュースがありました。「福島第一「処理水」の海洋放出、月内にも決定へ…実施は2年後」讀賣新聞。
(リンク先のニュースより文章引用)
東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含んだ「処理水」について、政府は海に放出する方針を固めた。処理水は一定の水準まで薄めたうえで海に流すため、放射性物質の濃度は希釈されるが、漁業関係者は風評被害を懸念しており、政府は対策を講じる。海洋放出は、処理水に含まれる放射性物質トリチウムを国の基準値の40分の1まで海水で薄め、原発敷地内から福島沖に流す。放出は約30年にわたる見通しで、少しずつ流すことで海ではさらに濃度が下がるため、健康被害は想定されていない。
2020/10/16讀賣新聞
この記事で気になるポイントは放射性物質トリチウム。
トリチウムって一体何だろう??
自然界に最も多く存在する「普通」の水素は、原子核が単独の陽子から成る軽水素(1H)であり、原子核が陽子1つと中性子1つから成る重水素(2H)も安定核のため豊富に存在するのに対し、三重水素は不安定なため天然には微量しか存在しない。とはいえ、半減期12.32年は軽い元素の放射性同位体としては比較的長いもので、天然においても一定量が常に存在している。たとえば体重60 kg程度の人の場合、50ベクレル程度のトリチウムを体内に保有している。水素には質量数が4から7の同位体もあるが、いずれも半減期が10-22秒以下と極めて不安定で実験室外には存在しないため、多くの場合には三重水素が事実上唯一の水素の放射性同位体として扱われている。(Wikipediaから引用)
原子力施設から出るトリチウムの自然環境中への放出は日本の国内外で広く行われており、イギリスでは1998年から2002年の期間、毎年3ペタベクレル程度のトリチウムが放出されている他、カナダ、アルゼンチン、フランス、スペイン、アメリカ、ドイツ、日本でも放出されていた。この期間、トリチウム以外の放射性物質の放出ベクレル数はトリチウムの1 %にも満たない水準である。これらは国際放射線防護委員会がトリチウムの線量係数が極めて低く、人体に対する影響も極めて少ないと判断しているためであり、各国は線量係数をもとに放出できる量を法律で定め、各原子力施設はこれに従って放出計画を建てている。大気圏内核実験が頻繁に行われていた時期には降水にも多量のトリチウムが含まれていたが、1963年3月の1680 TU をピークに減少し、2003年にはほとんど自然環境レベルの5 TU程度にに戻っている。(Wikipediaから引用)
で、問題は人間の体に対してどのような作用をするかだと。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)のページより
トリチウムの生物影響
トリチウム水を一時に多量摂取することは現実的にはあり得ないが、低濃度のトリチウム水による長期間被ばくの場合を考えねばならない。
実際に、トリチウムをヒトが長期間摂取した被ばく事故例が1960年代にヨーロッパで起きている。トリチウムは夜光剤として夜光時計の文字盤に使用されているが、これを製造する二つの施設で事故が発生している。一つは、トリチウムを7.4年にわたって被ばくした例で280テラベクレル(TBq)のトリチウムと接触し、相当量のトリチウムを体内に取り込んだ事例である。尿中のトリチウム量から被ばく線量は3〜6Svと推定されている。症状としては全身倦怠、悪心、その後白血球減少、血小板減少が起こり、汎血球減少症が原因で死亡している
うーむ。他の放射線核種よりはトリチウムの放射毒性がずっと弱いかもしれないけどもあんな凄い量の汚染水のタンクをみると大丈夫かと思ってしまいます・・。人間の体の中にも存在しているということは、実は取り込まれやすいのではないでしょうか?
また、汚染水の処理技術も現在どのようになっているのか気になるところです。進歩しているといいのですが、海洋放出の手段を取るということはそんなに技術は進んでないのかもしれません。
↓興味深い動画ありましたので貼っておきます!ニャゴニャゴ!
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