(出典:岐阜新聞)
◆近隣から苦情 家主「不妊していれば」
ふん尿の臭いが立ち込める薄暗い部屋で、いくつもの大きな目が、息を潜めてこちらを見つめる。県内のある一軒家。そこに居た猫の数は約100匹。世話が行き届かない状態の「多頭飼育崩壊」だった。猫の保護団体によると、近年相談が増える傾向にあるといい、不妊手術をするなど適切な世話をするよう求めている。だが家屋内は外から状況が確認しにくいため発見が遅れ、「解決が難しいのが現状」(自治体担当者)だ。
餌の声を掛けると、「ドドドドドー」という大きな音とともに、台所や2階からも数十匹が集まってきた。痩せ細り、近親交配の影響か病気があるような猫もいる。
この一軒家は60代男性が1人で暮らしていた。男性によると、両親と住んでいた十数年ほど前に2匹飼い始め、その後「どんどん増えていった」という。床は土のように乾燥したふんや毛がこびりついていた。
近所からは苦情の声が上がり、住民は「猫が庭を通り風が吹くと臭う。20匹ぐらいいるのだろうか」と迷惑そうに話した。屋内の状況はよく分かっていない様子だった。
男性は猫が増えすぎ、「病院代や餌代で給料がほとんどなくなることもあった」。仕事が定年を迎えると今後に不安がよぎり、猫の保護に取り組む団体に相談。「NPO法人西濃地域猫の会」(大垣市)と「犬猫みなしご救援隊」(広島市)が協力し、11月中旬まで約3カ月かけて保護した。栄養状態を改善し、犬猫みなしご救援隊が引き取る。
西濃地域猫の会理事の野村まりさん(46)によると、屋外で飼う猫も含めた「多頭飼育崩壊」の相談は一昨年、昨年はなかったが、今年は3件受けた。「近年、表面化するケースが出てきた」という。
街中の野良猫に対しては、自治会が餌やりやトイレ掃除などのルールを決めて世話をする「地域猫活動」がある。県動物愛護センター(美濃市)は自治会の依頼を受けて無料で飼い主のいない猫の不妊手術をした後、地域に戻している。
しかし、屋内は外から状況が確認しにくい。特に飼い主が地域で孤立しているケースでは事態が発覚しないまま猫が増え続ける悪循環に陥ることもあり、行政は対策に頭を抱えている。
野村さんは「猫が好きなことと、大切にすることとは違う。不幸な猫を増やさないためには不妊手術は必要」と飼い主の責任に言及する。
男性は「増えないうちに不妊しておけば自分も猫も幸せだった」と後悔を口にした。
(リンク先より文章・画像引用)
多頭飼い崩壊の記事が増えてきているような気がします。猫だけどネズミ算式に増えて行きます。たった二匹の猫ちゃんが一年後には15匹以上になる可能性があります。またその15匹がそのまま繁殖をしていくと2年後には100匹を超えてしまうおそれがあります。この点を安易に考えると恐ろしいことになります。猫ちゃんも飼い主も不幸になります。普通のご飯などのランニングコストでも大変なことになるのに、1匹でも病気になってしまえば医療費負担大変です。多頭飼いは本当に注意が必要です。
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