「いつも同じカバンを使う」ゴミ部屋を作りやすい”大人のADHD”の典型的症状
(リンク先より、文章、画像、動画等を引用しています)
■「ADHD」の患者宅はゴミ部屋であることが多い
この様子を見ていて、精神科医の仮屋暢聡医師(まいんずたわーメンタルクリニック院長)の言葉を思い出した。
仮屋医師によると、「注意欠如・多動性障害」(ADHD)の患者宅はゴミ部屋であることが多いという。ADHDは発達障害の一種で、忘れ物やミスが多い「不注意さ」や、落ち着きがなく行列を待てなかったり、興味のあること以外に関心を示さなかったりする「多動性」「衝動性」があるとされる。この障害が知られる10年ほど前までは「性格」といわれていたが、現在は障害と認められ、薬物治療が有効であることもわかっている。
「ADHDの人は、順序立てて物事を整理できなかったり、大事な物と不要な物の区別ができなかったりするために、学校では机の中の整理ができず、家でも物が捨てられなくて部屋に物があふれています。生ゴミと書類が同列に置いてある部屋になっていることも多いんですよ。物理的にも片付けられないし、頭の中もごちゃごちゃして整理ができない。パソコンのデスクトップにフォルダをいっぱい置いてある場合があるでしょう。思考がああいうような状態になっているから、一生懸命探さないとどこに物があるかわからないんです」(仮屋医師)
~(略)~
■ADHDの人は、いつも同じバッグを使用することが多い
仮屋医師が、「ADHDの人」をイラストにしてくれた。かなり大きいバッグを一つ持っていて、その中にジュースや傘、領収書、保険証などさまざなものを詰め込んでいる。ADHDの人は、いつも同じバッグを使用することが多い。同じところに置いておかないと、物がなくなってしまうからだ。
「“記憶の外在化”と僕は言っているんです。頭の中で整理ができないですから、かばんの中に“自分の分身”を入れるんです。首から鍵や携帯を下げるなど、身に付けることもありますね。それで他のところは構わない。左と右の靴下の色が違ったり、靴下に穴があいていたり、季節外れの洋服を着ていたり……などとということもよくあります」
~(略)~
全文はソースで
(リンク先より、文章、画像、動画等を引用しています)
皆さん、お疲れ様です。お元気でしょうか???私も筋金入りのADHDなのでよく分かります。何でもかんでもカバンに詰めてしまうのとか、本当に分かります。とにかく、何かしらの道具一式を持っていこうとするんですよ・・・。武器弾薬も詰めるだけ所持しようとする感じかもです。
なぜADHDの部屋は散らかってしまうのか?整理整頓が苦手な理由と具体的な対策
「また部屋がぐちゃぐちゃ…」「片付けたい気持ちはあるのに、どうしてもできない…」
もしあなたが、またはあなたの身近な人がADHD(注意欠陥・多動性症候群)の特性を持ち、部屋の整理整頓に苦労しているなら、それは決して「だらしがない」という一言で片付けられるものではありません。ADHDの特性は、私たちの脳の働き方に特有の違いをもたらし、それが整理整頓を困難にしている可能性があるのです。
本稿では、「ADHDの部屋が汚い」と言われる背景にある、脳科学的な理由や心理的な要因を丁寧に解説します。さらに、整理整頓が苦手なADHDの方でも実践しやすい具体的な対策や、周囲の人ができるサポートについても深く掘り下げていきます。
「片付けられないのは自分のせいだ…」と悩んでいるあなたへ。この記事を読むことで、その苦しさの根源を理解し、少しでも快適な空間を取り戻すための第一歩を踏み出すことができるでしょう。
1.ADHDと整理整頓:単なる「苦手」ではない複雑な関係
ADHDを持つ人が整理整頓を苦手とするのは、単に「面倒くさがり」や「だらしがない」といった性格的な問題ではありません。ADHDの主要な特性である「不注意」「多動性」「衝動性」が複雑に絡み合い、整理整頓という行為そのものを困難にしているのです。
1-1. 「不注意」がもたらす整理整頓の困難さ
不注意の特性は、細部に注意を払うことや、作業を順序立てて行うことを難しくします。整理整頓においては、以下のような形で困難さを生み出します。
- どこから手を付ければいいかわからない: 物が散乱している状態を見て、何から整理すればいいのか優先順位をつけることが難しい。
- 集中力が続かない: 片付けを始めても、すぐに別のことに気を取られたり、飽きてしまったりして、作業を最後までやり遂げられない。
- 物の定位置を決められない・忘れてしまう: 物をどこにしまうべきか判断に迷ったり、一度決めてもすぐに忘れてしまったりする。
- 必要なものを探すのが苦手: 物が整理されていないため、必要な時にどこにあるかわからず、探し物に時間を浪費してしまう。
- 細かな分類が苦手: 書類や小物などを細かく分類することが億劫で、まとめて一つの場所に置いてしまう。
1-2. 「多動性・衝動性」が整理整頓に与える影響
多動性や衝動性の特性は、落ち着いて一つの作業に取り組むことを難しくし、計画的な行動を妨げます。整理整頓においては、以下のような影響を与えます。
- 思いつきで行動してしまう: 片付けを始めても、計画的に進めることができず、目についたものから手当たり次第に触ってしまう。
- すぐに気が散ってしまう: 片付け中に気になるものを見つけると、そちらに意識が移ってしまい、元の作業に戻れなくなる。
- 完璧主義に陥りやすい: 「どうせやるなら完璧に」と考えすぎてしまい、なかなか手を付けられなかったり、途中で疲れて諦めてしまったりする。
- 物を手放すのが苦手: 「いつか使うかもしれない」と考えて、不要なものでもなかなか捨てることができない。
- 作業を急いでしまいがち: 丁寧に整理するよりも、とりあえず物をどこかに押し込んでしまうといった、雑な片付け方をしてしまう。
このように、ADHDの特性は、整理整頓に必要な計画性、集中力、持続力、判断力、そして衝動の抑制といった能力に影響を与え、部屋が散らかってしまう大きな要因となるのです。
2.脳科学的な視点:ADHDの脳の働きと整理整頓の困難さ
ADHDの特性は、脳の特定の部位の機能に関連していると考えられています。特に、前頭前野と呼ばれる、計画、実行、ワーキングメモリ、注意のコントロールなどを司る部位の機能不全が、整理整頓の困難さと深く関わっています。
2-1. ワーキングメモリの制限
ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持し、処理する能力のことです。ADHDを持つ人は、このワーキングメモリの容量が小さい、または効率的に使えない傾向があります。整理整頓においては、以下のような影響が出ます。
- 複数の情報を同時に処理できない: 「何をどこにしまうか」「何を捨てるか」といった複数の判断を同時に行うことが難しい。
- 作業の段取りを覚えていられない: 片付けの手順を頭の中で組み立て、それを実行していくことが難しい。
- 過去の経験を活かせない: 以前に片付けで失敗した経験などを覚えていられず、同じような間違いを繰り返してしまう。
2-2. 注意機能の低下
ADHDを持つ人は、注意を集中させたり、不要な情報から注意をそらしたりする能力が低い傾向があります。整理整頓においては、以下のような影響が出ます。
- 目の前の刺激に気を取られやすい: 片付け中に目に入った別のものに気を取られ、作業が中断してしまう。
- 重要な情報とそうでない情報の区別がつきにくい: 何を残すべきで何を捨てるべきかの判断に迷ってしまう。
- 長時間、単調な作業に集中できない: 整理整頓のような、地道で時間がかかる作業に集中し続けることが難しい。
2-3. 実行機能の障害
実行機能とは、目標を設定し、計画を立て、実行し、モニタリングする一連の認知プロセスのことです。ADHDを持つ人は、この実行機能に障害があると考えられています。整理整頓においては、以下のような影響が出ます。
- 目標設定が曖昧: 「きれいな部屋にする」という抽象的な目標しか立てられず、具体的な行動に移せない。
- 計画を立てられない: どのように片付けを進めていくかの具体的な計画を立てることが難しい。
- 行動を開始できない: 片付けの必要性は感じているものの、なかなか最初の一歩を踏み出せない(先延ばし)。
- 作業の進捗を管理できない: どこまで片付けが進んでいるのかを把握できず、モチベーションを維持できない。
これらの脳科学的な要因が複雑に絡み合い、ADHDを持つ人が整理整頓を困難に感じてしまうのです。
3.心理的な側面:整理整頓を妨げるADHD特有の心理的要因
脳の機能的な違いに加えて、ADHDを持つ人には整理整頓をさらに難しくする心理的な要因も存在します。
3-1. 過集中と注意の切り替えの難しさ
ADHDを持つ人は、興味のあることには驚異的な集中力(過集中)を発揮することがありますが、興味のないことへの注意の切り替えが苦手な傾向があります。整理整頓は、多くの場合、本人にとって興味のない単調な作業であり、なかなか集中することができません。また、一度他のことに集中してしまうと、片付けに戻るのが難しくなってしまいます。
3-2. 完璧主義と先延ばし
「どうせやるなら完璧にやらなければ意味がない」という完璧主義の傾向が強いと、ハードルが高くなりすぎて、なかなか片付けに着手できなくなってしまうことがあります。また、「今は忙しいから」「後でまとめてやればいい」と先延ばしにする癖があると、物はどんどん溜まっていき、さらに片付けが困難になるという悪循環に陥ります。
3-3. 物への愛着と手放すことへの抵抗
ADHDを持つ人の中には、物への強い愛着を持つ人がいます。「いつか使うかもしれない」「これは大切な思い出の品だから」といった理由で、不要なものでもなかなか捨てることができません。物が溜まっていくことで、整理整頓の難易度はさらに上がってしまいます。
3-4. 過去の失敗経験と自己肯定感の低さ
過去に何度も整理整頓に失敗した経験があると、「自分にはどうせできない」という無力感や自己肯定感の低下につながり、さらに片付けへの意欲を失ってしまうことがあります。
これらの心理的な要因も、ADHDを持つ人が整理整頓を苦手とする背景にある重要な要素です。
4.今日からできる!ADHDの人が実践しやすい整理整頓の具体的な対策
ADHDの特性を理解した上で、整理整頓が苦手なADHDの方でも実践しやすい具体的な対策をご紹介します。
4-1. 小さなステップから始める
最初から完璧を目指すのではなく、「今日は机の上だけ」「この引き出し一段だけ」といったように、小さな範囲から始めることが重要です。小さな成功体験を積み重ねることで、達成感を得やすくなり、モチベーション維持につながります。
4-2. タイマーを活用する
集中力が持続しにくい場合は、タイマーを使って作業時間を区切るのが有効です。「15分片付けたら5分休憩」といったように、短い時間で区切りながら進めることで、集中力を保ちやすくなります。
4-3. 「ながら片付け」を取り入れる
テレビを見ながら、音楽を聴きながらなど、他の活動と並行して行うことで、単調な片付け作業への抵抗感を減らすことができます。ただし、集中力が散漫になりすぎないように注意が必要です。
4-4. 物の定位置を明確にする
物の定位置を写真やラベルで明確にすることで、「どこにしまえばいいかわからない」という迷いをなくし、スムーズに片付けを進めることができます。色分けやアイコンを活用するのも効果的です。
4-5. 「保留ボックス」を作る
すぐに判断できない物は、とりあえず「保留ボックス」に入れておき、後でまとめて判断するようにします。「保留ボックス」がいっぱいになったら見直すというルールを作るのも有効です。
4-6. 定期的な見直しと断捨離
定期的に物の見直しを行い、一定期間使っていない物は思い切って手放すように心がけましょう。「1年使わなかった物は捨てる」といった明確なルールを作るのがおすすめです。
4-7. 収納グッズを効果的に活用する
収納ケース、仕切り板、ファイルボックスなどを活用することで、物を種類ごとに整理しやすくなります。透明なケースを使うと、中身が一目でわかり、探し物の時間を減らすことができます。
4-8. デジタルツールを活用する
書類やメモなどは、スキャンしてデジタル化することで、物理的な物を減らすことができます。タスク管理アプリやリマインダー機能を活用して、片付けの習慣化をサポートするのも有効です。
4-9. 家族や支援者の協力を得る
一人で抱え込まず、家族やパートナー、支援者などに協力を仰ぐことも大切です。一緒に片付けを手伝ってもらったり、アドバイスをもらったりすることで、負担を軽減することができます。
4-10. プロの力を借りる
どうしても手に負えない場合は、整理収納アドバイザーなどのプロの力を借りるのも一つの手段です。客観的な視点からアドバイスをもらったり、一緒に片付けを進めてもらうことで、効果的に整理整頓を行うことができます。
5.周囲ができるサポート:理解と工夫でADHDの人の整理整頓を助ける
ADHDの身近な人が、整理整頓に苦労しているADHDの人をサポートする上で大切なのは、「なぜ片付けが難しいのか」というADHDの特性を理解し、その人に合った工夫を取り入れることです。
5-1. 「だらしがない」と責めない
ADHDの人が整理整頓を苦手とするのは、意図的なものではなく、脳の機能的な違いや心理的な要因によるものです。「だらしがない」「いい加減にしなさい」といった言葉は、本人の自己肯定感をさらに低下させ、状況を悪化させる可能性があります。まずは、ADHDの特性を理解し、共感する姿勢が大切です。
5-2. 具体的な指示と手順を示す
「片付けなさい」という抽象的な指示ではなく、「まず机の上の書類をまとめて、このファイルボックスに入れよう」「次に、床に落ちている物を拾って、洗濯するものとそうでないものに分けよう」といったように、具体的で段階的な指示を出すことが効果的です。
5-3. 一緒に片付けを行う
一人で片付けるのが難しい場合は、一緒に片付けを行うことで、ADHDの人は安心感を得られ、作業に取り組みやすくなります。また、物の仕分けや定位置を決めるのを手伝ったり、励ましたりすることで、モチベーション維持をサポートできます。
5-4. 視覚的なサポートを活用する
物の定位置を写真やイラストで示したり、片付けの手順をリスト化して見える場所に貼っておくなど、視覚的なサポートは、ADHDの人の理解を助け、行動を促します。
5-5. 褒めて認める
小さなことでも、片付けができたことや、整理整頓を頑張ったことを具体的に褒めて認めることが、ADHDの人の自己肯定感を高め、次の行動への意欲につながります。
5-6. 完璧を求めすぎない
最初から完璧な整理整頓を求めるのではなく、少しでもきれいになったら「すごいね」「きれいになったね」と認め、徐々にレベルアップしていくようにサポートすることが大切です。
5-7. 根気強く見守る
整理整頓の習慣を身につけるには時間がかかることがあります。焦らず、根気強く見守り、必要に応じてサポートを続けることが重要です。
まとめ
ADHDの人が部屋の整理整頓を苦手とする背景には、不注意、多動性・衝動性といったADHDの特性に加え、ワーキングメモリの制限、注意機能の低下、実行機能の障害といった脳科学的な要因、そして完璧主義、先延ばし、物への愛着といった心理的な要因が複雑に絡み合っています。
しかし、「できない」と諦めるのではなく、ADHDの特性を理解し、小さなステップから始める、タイマーを活用する、物の定位置を明確にするなど、ADHDの人が実践しやすい具体的な対策を取り入れることで、少しずつでも整理整頓を進めることは可能です。
周囲の人は、「だらしがない」と責めるのではなく、具体的な指示と手順を示したり、一緒に片付けを行ったり、視覚的なサポートを活用するなど、理解と工夫に基づいたサポートを行うことが、ADHDの人の整理整頓を助ける上で非常に重要です。
ADHDの人が、少しでも快適で過ごしやすい空間を取り戻せるよう、本稿がその一助となれば幸いです。焦らず、それぞれのペースで、心地よい空間づくりを目指していきましょう。
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