120年の謎が解明!三毛猫の「オレンジ色」を決める遺伝子の正体とは?

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「三毛猫」や「サビ猫」を見ると、思わず「かわいい!」と声が出てしまいますよね。あの独特の白・黒・オレンジのコントラストは、まさに芸術的。そして、ほとんどがメス猫だというのも、猫好きの間では有名な話です。

しかし、この三毛猫サビ猫オレンジ色の毛が、一体どの遺伝子によって作られているのか、その正体は120年以上もの間、謎に包まれていました。

今回、九州大学、近畿大学、国立遺伝学研究所などの研究グループが、長年の疑問についに終止符を打ち、その遺伝子正体を突き止めました。この衝撃的な研究成果は、猫の毛色の謎だけでなく、ヒトの病気の解明にも繋がる可能性を秘めているんです!

三毛猫の毛色はどう決まる? 九州大などが遺伝子を特定 「メスばかり」の謎、核心に近づく

(リンク先より文章・画像を引用しています)
九州大学や近畿大学、国立遺伝学研究所などによる研究グループは、三毛猫やサビ猫の毛色に関与しているとされてきた「オレンジ遺伝子」の正体が、X染色体上の「ARHGAP36」だと突き止めた。三毛猫やサビ猫におけるオレンジの毛が、「オレンジ遺伝子」によって作られるという仮説は、120年以上前から存在したが、その実体は不明だった。

 三毛猫やサビ猫は、白・黒・オレンジの3色が入り混ざっているのが特徴で、ほとんどがメスである。これは、黒とオレンジの毛色を決める遺伝子がX染色体上の同じ場所にあり、X染色体の片方に「黒型」、もう片方に「オレンジ型」を持つメス猫の場合、細胞ごとにどちらのX染色体が働くかがランダムに決まるためだとされてきた。オス猫はX染色体を1本しか持たないため、オレンジと黒を同時に持つことができず、染色体異常などの例外を除き、三毛・サビ模様にはならないとされる。

 研究グループは、福岡市内の動物病院の協力を得て、さまざまな毛色を持つ18匹の猫のDNAを解析。その結果、オレンジ毛を持つ猫のX染色体にはARHGAP36遺伝子内に約5000塩基の欠失があることが確認された。さらに、国内外の50匹以上の猫で検証したところ、この欠失の有無とオレンジ毛の有無が完全に一致。オスの三毛猫(染色体異常でXが2本ある場合生まれる)にもこの欠失がみられたという。

 さらに、研究チームが三毛猫の皮膚を部位ごとに分析したところ、オレンジ毛の部分ではARHGAP36の発現が高く、メラニンの生成が抑えられていた。これにより、黒の色素(ユーメラニン)よりも、赤みを帯びた色素(フェオメラニン)が優勢になり、オレンジ色の毛が生まれていると、研究チームは結論付けた。

 研究チームは今後、この欠失がメラニン合成の仕組みにどのような影響を及ぼしているのか、さらなる解析を進めるとしている。さらに、ARHGAP36はヒトにも存在しており、ある種の腫瘍、先天性の減毛症、皮膚の基底細胞がん、異所性骨化症といった病気との関連が指摘されていることから、研究チームはこうした病気の解明にも研究が役立つとの見方を示している。

 研究成果は5月16日、米学術誌『Current Biology』に掲載された。
(リンク先より文章・画像を引用しています)

120年越しの謎!「オレンジ遺伝子」の正体が明らかに

長年にわたり、三毛猫サビ猫オレンジ色は「オレンジ遺伝子」という仮説的な存在によって作られるとされてきました。しかし、その実体は不明だったため、多くの猫愛好家や研究者がその正体を探し求めていました。

そして今回、驚くべきことに、その「オレンジ遺伝子」の正体が、X染色体上にある「ARHGAP36」という遺伝子だと判明しました。

この発見は、米学術誌『Current Biology』に5月16日に掲載されたばかりの、まさに最新の研究成果です。

なぜ三毛猫は「メス」ばかりなのか?遺伝子の仕組みを徹底解説

三毛猫がほとんどメスであることは、多くの方がご存じかと思います。これは、今回の研究成果で特定されたARHGAP36という遺伝子が、性別を決めるX染色体上に存在するためだと説明されています。

  • X染色体と毛色: 猫の毛色(黒とオレンジ)を決める遺伝子は、X染色体上の同じ場所に乗っています。
    • オス猫はX染色体を1本しか持たないため、黒かオレンジのどちらか一方の毛色しか発現できません。
    • メス猫はX染色体を2本持っています。片方に「黒型」、もう片方に「オレンジ型」の遺伝子を持つことができます。
  • 「どちらが働くか」はランダム: メス猫の場合、体の細胞一つ一つで、2本あるX染色体のどちらが働くかがランダムに決まります。そのため、黒の遺伝子が働く細胞では黒い毛が、オレンジの遺伝子が働く細胞ではオレンジ色の毛が生え、さらに白の遺伝子(これは別の遺伝子が関与)が加わることで、三毛猫サビ猫のような複雑な模様が生まれるのです。
  • オスが三毛猫になるケース: ごく稀にオスの三毛猫が生まれることがありますが、これはX染色体が通常より1本多い(XXYなど)といった染色体異常が原因とされています。今回の研究でも、そうしたオスの三毛猫から、今回特定されたARHGAP36遺伝子欠失が確認されたそうです。

「オレンジ色」はこうして作られる!遺伝子の驚くべき働き

研究グループは、様々な毛色の18匹の猫のDNAを解析し、さらに国内外の50匹以上の猫で検証を行いました。その結果、ある驚くべき事実が判明したのです。

  • 5000塩基の欠失: オレンジ色の毛を持つ猫のX染色体には、ARHGAP36遺伝子内に約5000塩基という大規模な欠失があることが確認されました。そして、この欠失の有無が、オレンジ色の毛の有無と完全に一致したのです!
  • メラニン生成の抑制: さらに詳しく分析したところ、三毛猫オレンジ色の毛の部分では、このARHGAP36遺伝子発現が高くなっていることが分かりました。このARHGAP36が高く発現することで、黒い色素である「ユーメラニン」の生成が抑えられ、赤みを帯びた色素である「フェオメラニン」が優勢になることが判明しました。これにより、美しいオレンジ色の毛が生まれている、と研究チームは結論付けています。

まさに、遺伝子の繊細な働きが、あの魅力的な毛色を生み出していたのですね!

人間の病気解明にも貢献?今後の研究に期待

今回の研究成果は、単に三毛猫の毛色の謎を解明しただけにとどまりません。研究チームは今後、このARHGAP36遺伝子欠失が、メラニン合成の仕組みにどのような影響を与えているのか、さらに詳細な解析を進めるとしています。

さらに注目すべきは、このARHGAP36遺伝子が、実はヒトにも存在しているということです。ヒトにおいては、この遺伝子が、ある種の腫瘍、先天性の減毛症、皮膚の基底細胞がん、異所性骨化症といった病気との関連が指摘されています。

今回の猫における遺伝子の働き解明が、これらのヒトの病気のメカニズムを理解し、将来的な治療法の開発にも役立つ可能性を示唆しているというのです。


まとめ:猫の毛色の謎が、科学の扉を開く

120年以上もの間、謎とされてきた三毛猫オレンジ色遺伝子正体が、ついに解明されました。九州大学、近畿大学、国立遺伝学研究所などの研究グループによるこの発見は、猫好きにとってはもちろん、科学全体にとっても非常に大きな一歩と言えるでしょう。

私たちが当たり前のように見ていた猫の毛色が、実は奥深い遺伝子のメカニズムによって生み出され、さらにその研究成果が、ヒトの病気解明にまで繋がる可能性があるとは、本当に驚きですね。

これからも、この研究の進展に注目していきたいと思います。あなたの家の三毛猫サビ猫も、この研究に貢献しているかもしれませんね!

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