【6日~7日の動き】ヘリ搭乗の10人 うち8人が幹部 捜索続く

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【6日~7日の動き】ヘリ搭乗の10人 うち8人が幹部 捜索続く

(リンク先より文章、画像を引用しています)

陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、搭乗していた10人うち、幹部は8人だったことが防衛省関係者への取材で新たに分かりました。

このうち第8師団司令部の5人は、いずれも司令部の中核を担う幹部で、坂本師団長以外の4人は階級が1等陸佐から3等陸佐だということです。

所属の内訳については▽第8師団司令部が坂本師団長を含めて5人、▽ヘリコプターを運用している第8飛行隊が4人、▽宮古島駐屯地にある宮古警備隊が1人だと、防衛省が明らかにしています。

坂本師団長など複数の幹部は先月着任したばかりで、陸上自衛隊は島の地形を確認するために周辺を飛行していたとみて調査を進めています。

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これまでの捜索で

一方、これまでの捜索では、▽「陸上自衛隊」と書かれた救命ボートやドアのほか、▽回転翼のブレードなどが宮古島と橋でつながる伊良部島の北の海域で見つかっています。

このうち救命ボートについて、陸上自衛隊は消息を絶ったヘリコプターに積まれていたものであることが確認されたとしていて、ドアやブレードなどについても、このヘリコプターのものである可能性が高いということです。

また、ヘリコプターは航跡が消える2分前の6日午後3時54分に伊良部島に隣接する下地島の空港の管制官と交信していた可能性があるほか、先月下旬に機体の点検を行った際には特段の異常は確認されなかったということです。

防衛省や海上保安庁は引き続き周辺での捜索を行っています。【詳しく】陸自ヘリ消失 飛行ルートや当時の状況 手がかりは?

浜田防衛相「捜索態勢を強化」

浜田防衛大臣は、7日午後4時すぎ防衛省で記者団に対し「きのうの事案発生後、夜を徹しての捜索を行っているが、現在も機体に搭乗していた隊員10人は行方不明のままだ」と述べました。

その上で「きょうから、捜索のための陸上部隊を初動の20人から200人以上の規模に大幅に増やすなど態勢を強化している。引き続き、海上保安庁とも連携しながら、捜索・救助に全力を尽くしたい」と述べました。

【飛行ルートや当時の状況は】

防衛省によりますと、航跡が消えたのは、陸上自衛隊第8師団の第8飛行隊に所属しているUH60JA多用途ヘリコプター1機です。

ヘリコプターは6日午後3時46分に航空自衛隊宮古島分屯基地を離陸し、周辺の地形を確認するため上空を飛行したあと、午後5時5分、同じ基地に着陸する予定だったということです。

午後3時56分ごろ、宮古島と伊良部島の間の海上を飛行中にレーダーから航跡が消えたということです。当時、宮古島周辺の風速や視界などの気象状況に問題はなかったとしていて、目視で飛行していたということです。

ヘリコプターに搭載されていた燃料は、離陸から4時間後の午後7時46分ごろにはなくなる量だったことなどから、航空事故と判断したとしています。

今回の事故を受けて、陸上自衛隊は全国に配備している同型のヘリコプターについて、災害派遣などを除いて飛行を見合わせています。

【現場での手がかりは】

海上保安庁 「陸上自衛隊」と書かれた救命用ボート発見

海上保安庁によりますと、6日午後6時50分ごろに「陸上自衛隊」と書かれた、折り畳まれた状態の救命用のボートを巡視船が発見し、引き揚げたということです。見つかったのは、池間島灯台から西南西におよそ7キロの海域だということです。

さらに7日午前中の捜索でも「陸上自衛隊」と書かれた、折りたたまれた状態の救命ボートがもう1つ見つかったということです。

海上保安庁 ドアや回転翼の一部も回収

このほか、▽機体の一部とみられる窓枠などが見つかっていて、7日未明には▽「陸上自衛隊」と書かれたドアや▽回転翼の「ブレード」を、新たに発見して引き揚げたということです。

いずれも宮古島と橋でつながる伊良部島の北の海域で見つかったということです。海上保安庁は大型巡視船1隻を新たに派遣し、5隻態勢で捜索にあたることにしています。

【搭乗の第8師団長】

先月30日付けで着任

第8師団の師団長、坂本雄一 陸将は、先月30日付けで着任したばかりでした。

坂本師団長は北海道旭川市出身の55歳で、防衛大学校を卒業後、1991年に陸上自衛隊に入隊し、陸上総隊司令部の運用部長や第12旅団長を務め、防衛政策の立案や部隊の運用にかかわるポストを歴任してきました。

着任の翌日に行われた着任式では、「厳しい安全保障環境のなかで戦い方そのものが変化している。変化や進化を意識して、挑戦することを心がけてほしい」と隊員に訓示していました。

また、着任式のあとの記者会見では、「地域に信頼され、愛される第8師団に育成していきたい」と抱負を語りました。

その上で、日本を取り巻く安全保障環境をふまえた第8師団の役割について、「島しょ部を担当し機動運用される第8師団は、まさに陸上自衛隊の第一線といえる。サイバーや電子戦などの新領域への対応に加え、島しょ部の防衛に向けた部隊配置など、即応の能力が必要だと考えている」と述べていました。

【第8師団とは】

熊本市に司令部を置く第8師団は、九州・沖縄地方を担当する陸上自衛隊西部方面隊の中核となる数千人規模の部隊で、熊本県と宮崎県、それに鹿児島県の防衛警備や災害派遣の任務などにあたっています。

また、有事が起きた際には機動的に展開する「機動師団」に位置づけられていて、沖縄県など南西諸島への展開も想定されているということです。

第8飛行隊は第8師団に所属していて、熊本県にある高遊原分屯地を拠点にヘリコプターによる輸送などの任務を行っています。

【「UH60JA」とは】

陸上自衛隊や三菱重工のホームページなどによりますと「UH60JA」は陸上自衛隊では1999年度に配備が開始された多用途ヘリコプターで、各地の駐屯地などに配備されています。

【九州・沖縄】
▽今回、消息を絶った機体が所属する熊本県の高遊原分屯地にある第8飛行隊のほか、▽佐賀県の目達原駐屯地にある西部方面ヘリコプター隊や、▽沖縄県の那覇駐屯地にある第15ヘリコプター隊に配備され、離島の急患輸送任務にも使用されています。

【関東地方】
▽千葉県の木更津駐屯地にある第102飛行隊と、▽栃木県の北宇都宮駐屯地にある第12ヘリコプター隊に配備されています。

今回の事故を受けて、陸上自衛隊は全国に配備している同型機の飛行を見合わせていますが、急患輸送を含む「災害派遣」などの任務は見合わせの対象から除外されています。

一方、航空自衛隊と海上自衛隊では、事故機と型式の異なる「UH60J」救難ヘリコプターを運用していますが、これらの機体は飛行見合わせの対象となっておらず、それぞれの部隊の運用に影響はないということです。

【元陸自幹部の見解は】

「トラブルがあった可能性が高い」

陸上自衛隊で東部方面総監などを務めヘリコプターの運用に詳しい磯部晃一さんは「航跡が消えたあと連絡が取れていないのであればトラブルが起きた可能性が高く心配している。捜索・救助が急がれる」としています。

【UH60Jとは】
「陸上自衛隊では主に人員輸送などに使われている。乗員5人を含めて15人ほどを乗せることができる。エンジンを2つ搭載しているため一方にトラブルがあってももう一方でしばらく飛行し、近くに着陸することができる機体だ」

【何らかのトラブルの可能性】
「何らかのトラブルがあった可能性が高い。詳しい情報がないので何が起きたのかはわからないが、エンジン2発が同時にトラブルになることは確率としては低く、それ以外のトラブルが起きた可能性がある」

【今後の対応は】
「仮に洋上で不具合が起きて着水している場合、乗員は救命胴衣を着ているので浮いた状態で救助を待っていることが考えられる。救難を行う部隊は夜の捜索も訓練しているので、捜索・救助に全力であたってほしい」

【第8飛行隊について】
「鹿児島までの南九州を管轄する第8師団の隷下部隊だ。宮古島を飛行していたということであれば必要性があって宮古島を訪れていたということだと思う。今回のように乗員もあわせて10名ほどの人数で上空から情報収集などを行うのはよくある任務だ」元陸自幹部が見る飛行の目的や事故原因は?元陸自幹部のより詳細な見解はこちら

《4月7日の動き》

7日16:00すぎ 浜田防衛相「捜索態勢を強化」

浜田防衛大臣は、7日午後4時すぎ防衛省で記者団に対し「きのうの事案発生後、夜を徹しての捜索を行っているが、現在も機体に搭乗していた隊員10人は行方不明のままだ」と述べました。

その上で「きょうから、捜索のための陸上部隊を初動の20人から200人以上の規模に大幅に増やすなど態勢を強化している。引き続き、海上保安庁とも連携しながら、捜索・救助に全力を尽くしたい」と述べました。

7日14:30ごろ 海上保安部「人命救助につながる手がかりなし」

6日から捜索にあたっていた宮古島海上保安部の巡視船、「のばる」は、燃料を補給するため7日午後2時半に宮古島市の平良港に帰港しました。

巡視船の甲板には伊良部島の北の海域で引き揚げた「陸上自衛隊」と書かれたドアや回転翼のブレードが載せられていました。

ドアは折れ曲がり、ブレードは根元付近がえぐられたように壊れていました。

捜索活動の指揮を執る宮古島海上保安部の山添岳大 警備救難課長は、「風や潮流といった状況を考慮し、巡視船4隻で海域を分担して捜索にあたっているが、今のところ人命救助につながる手がかりはない。現場には海上自衛隊の艦艇も到着していて、連携して活動し、一刻も早く行方不明者を発見できるよう全力で捜索する」と話していました。

7日08:16 もう一つの救命ボート発見 海上保安庁

海上保安庁によりますと、7日午前中の捜索で「陸上自衛隊」と書かれた、折りたたまれた状態の救命ボートがもう1つ見つかったということです。

小野寺 元防衛相 「海面にかなり急激に衝突か」

自民党の安全保障調査会長を務める小野寺・元防衛大臣は、党の国防部会などの合同会議のあと記者団に対し「防衛省からは、発見された部品を見ると海面にかなり急激に衝突した事案とみられると説明があった」と明らかにしました。

その上で、ヘリコプターに搭乗していた坂本師団長について「大臣のときに支えてもらい、大臣室でさまざまな説明を受けた覚えがある。行方不明になっている10人を 早く救助してほしい」と述べました。

そして「まずは捜索に全力を挙げ、救助が終わったあとにしっかり原因の解明をしてほしい」と述べました。

沖縄 玉城知事「搭乗者の無事を祈りたい」

沖縄県の玉城知事は7日午前、県庁で記者団に対して「現在、自衛隊や海上保安庁の懸命な捜索が行われているということもあり、搭乗者の無事を祈りたい」と述べました。

また「事故を受けて陸上自衛隊へ申し入れなどの考えがあるか」という質問に対し、玉城知事は「詳細は今後、明らかになってくると思うが、我々としては引き続き情報の収集にあたりたい」と答えました。

松野官房長官 「救出に全力を尽くす」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「行方不明となっている10人の救出に全力を尽くすとともに、このような事故が発生したことを重く受け止め、自衛隊の航空機の運航にあたっては安全管理に万全を期していく」と述べました。

7日未明 ドアや回転翼の一部も回収 海上保安庁

海上保安庁によりますと、7日未明には▽「陸上自衛隊」と書かれたドアや▽回転翼の「ブレード」を新たに発見して引き揚げたということです。

いずれも宮古島と橋でつながる伊良部島の北の海域で見つかったということです。海上保安庁は大型巡視船1隻を新たに派遣し、5隻態勢で捜索にあたることにしています。

《4月6日の動き》

21:00前 陸自トップの幕僚長が記者会見「航空事故と概定」

陸上自衛隊トップの森下陸上幕僚長は会見の冒頭で「国民の皆さまにご迷惑とご心配をおかけして申し訳ございませんでした」と陳謝しました。そのうえでレーダーから航跡が消えた陸上自衛隊のヘリコプターに、第8師団のトップで陸将の坂本雄一師団長が乗っていたことを明らかにしました。

そして「宮古島北北西の洋上においてレーダーの航跡が消失した。当該機の燃料枯渇、および発見された機材から総合的に判断し航空事故と概定した」と述べました。さらに「いま、現地で確認をして頂いているが、航空機の部品らしきものと判明している。同機のものかどうかというのも含めて確認中」と述べました。

また「1秒でも早く搭乗していた全員を救助するため、海上自衛隊と航空自衛隊の艦艇・航空機、海上保安庁の巡視船をもって引き続き全力で捜索、救難活動を継続していく」と述べました。

20:00すぎ サーチライト照らし捜索

午後8時すぎに宮古島市の池間島からNHKのカメラが撮影した映像では、宮古島海上保安部の巡視船1隻が海面にサーチライトを照らしながら浮かんでいるものはないかどうかを調べるなどレーダーから航跡が消えた陸上自衛隊のヘリコプターの捜索を続けています。

「部品」発見の場所は

防衛省関係者によりますとヘリコプターのローターとみられる部品は池間島の西およそ5キロ、伊良部島の北およそ7キロの海上で発見されたということです。引き続き詳しい状況を確認しています。

18:45ごろ 岸田首相「人命救助最優先で取り組む」

岸田総理大臣は、午後6時45分ごろ、総理大臣官邸を出る際に記者団に対し「状況は防衛省で確認中だ。いずれにせよ人命救助最優先で取り組んでいく。今把握しているのは以上だ」と述べました。

18:30すぎ 海上保安庁の船「ローターのような部品を発見」

防衛省関係者によりますと6日午後6時半すぎ、レーダーから機影が消えたヘリコプターを捜索していた海上保安庁の船が、ローターのような部品を発見したということです。また、同じころに捜索をしている航空自衛隊のヘリコプターの乗組員が海面に油らしきものが浮いているのを確認したということです。海上保安庁などは詳しい状況を確認しています。

18:10ごろ 巡視船など現場付近の海域到着も手がかりみつからず

第11管区海上保安本部によりますと、水中での捜索や調査など潜水業務を行う潜水指定船「はりみず」のほか、巡視船の「のばる」と「ながやま」「おおがみ」の合わせて4隻は、午後6時10分ごろ現場付近の海域に到着して捜索を始めていますが、今のところ手がかりは見つかっていないということです。巡視船からの情報によりますと、周辺の気象状況はおだやかで視界もいいということです。

気象庁「風や雨が極端に強い状況ではなかったとみられる」

気象庁によりますと、沖縄県の先島諸島付近には前線があって、宮古島の北の海上を中心に大気の状態が不安定となっています。午後4時半ごろには宮古島周辺で積乱雲の顕著な発達はなく雷も検知されていないため、風や雨が極端に強い状況ではなかったとみられるということです。

(リンク先より文章、画像を引用しています)
何とか無事に見つかることを祈っています。


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